2010年12月24日金曜日

Japan of winter is an after all hot spring.

ブナやナラなどの自然林に囲まれた広い敷地、駐車場の先の池の池の向こうに、大正7年に建設され、唐破風の玄関を持つ木造2階建てのHot springがある。

Hot spring、畳敷き、昔ながらの帳場があり、客はここでチェックインをする。

左手には一昔前の小学校の教室のような部屋があり、冬期、客に貸し出される多数の長靴・カンジキや、ストーブ、粗末なテーブルにパイプ椅子等が雑然と置かれている。
どうやら、ここがロビー兼休憩室兼談話室らしい。
赤じゅうたんに豪華なソファといった普通の旅館のロビーとは正反対の、なんとも素朴で懐かしい雰囲気の空間だ。

部屋は本館、新館、西館に分かれている。
Hot spring、トイレ無しの6畳と8畳、それに隣室と襖で仕切られた部屋もあり、大正7年築に相応しい風情を残していて、宿泊料金が最も安い。
因みに、本館玄関奥にあるトイレは、水洗便所年鑑に掲載されていて、昔は便器の下に小川が流れていて天然水洗便所だったそうだ。

別館は本館の奥の山側にあり、階段を60段ほど上って行かねばならない。足腰に支障がある我々には、はじめから対象外の棟だった。

泊まったのは、もっとも新しいコンクリート3階建ての西館。トイレ付が条件の家内のためにはここに泊まらざるをえなかったが、空いていた部屋が角部屋、10畳の和室にツインの洋室のみ。、料金は23,000円、これまでの最高宿泊料金となった。湯量を省みず露天風呂を新設・増設する旅館が多い中、ここは館主の頑なな方針でこれを設けない。
自然湧出の湯を損ねることを意識してのことだ。

Hot springは男女別の「泉響の湯」と男女共同(時間によって男女別となる)の「久安の湯」がある。

特に久安の湯が良い。
湯舟から天井・壁・床に至るまですべてブナ造り、久安3年(1147年)に発見された湧出場所に設けられ、透明で中性(Ph7)のまろやかな湯が浴槽の底から湯玉となって湧いてくる。
角がとれなんとも温かみのあるブナの湯舟に浸かると、これぞ日本の温泉としみじみと感じ入る。

本館の奥にある泉響の湯は、高さ12メートルもある高い天井が印象的、もちろんここも水一滴も加えない源泉風呂だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿